産学官連携の取り組み事例 ⑦
地域振興
地元や民間企業との連携による
情報発信とその効果
(平成29年度)
国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr ac.jp/
■TVアニメとのコラボイベント
立川市を舞台とするアニメを活用して地域振興を進める立川観光協会と連携し、南極・南極観測隊を題材とするTVアニメ「宇宙よりも遠い場所」とのコラボイベントを本研究所でアニメ制作会社の協力を得て実施しました。 平成30年3月31日に極地観測棟倉庫を会場として開催したメインイベントでは、3,257人が来場する盛況ぶりとなりました。また、平成30年8月4日の一般公開では同じアニメイベントを昭和記念公園と会場を分けて実施、2,548人の来場となり、立川市の地域振興に貢献しました。 国立極地研究所の南極・北極科学館の来館者数は、平成29年1月29日の昭和基地開設60周年記念行事とTVアニメの効果があいまって激増し、平成29年度、平成30年度の来館者数は平成21年度の開館以降、2年連続40,000人超えとなるとともに開館以来の令和元年9月、総来館者数が30万人を突破しました。
南極・北極科学館
https://www.nipr.ac.jp/science-museum/
静岡県や地域企業との連携
(平成28年度〜)
国立遺伝学研究所
〒411-8540 静岡県三島市谷田1111 https://www.nig ac.jp/
♦事例の概要
地域連携として、国立遺伝学研究所がある静岡県東部地域が推進するファルマバレープロジェクト、静岡県先端農業プロジェクト「AOI(アグリ・オープンイノベーション)プロジェクト」 、静岡県「マリンオープンイノベーション機構」への参加など、地域プロジェクトに積極的に参画し意見交換を行いました。
さらに、令和元年からは近隣企業と、バイオインフォマティクス分野をはじめとする双方の資産を活かした研究交流や人材交流を目指した包括連携協定、共同研究部門契約の締結に向け協議を行なっています。
他にも、ゲノム育種を活かした農産物の品質向上技術開発への協力など、近隣企業との産学連携活動が順調に進んでいます。
自治体と連携実施した調査結果を地域シンポジウムで還元
(平成28年度)
統計数理研究所
〒190-8562 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp/
■立川市・統計数理研究所 協働シンポジウムを開催
平成27年度に立川市と協力して実施した「立川市住民意識調査」の結果を平成28年6月に「立川市・統計数理研究所 協働シンポジウム ~1万人調査が描き出す立川市の魅力 -結果速報~」で広く発信しました。この調査結果は今後の立川市行政の基礎資料となります。
また、驚異的な回収率77%を達成するなど一連の連携・協力が立川市から高く評価され、統数研教員が平成30年7月19日に初代「立川市アカデミックアドバイザー」に任命されました。
朴准教授が初代立川市アカデミックアドバイザーに任命
https://www.ism.ac.jp/kouhou/news/20180719.html
情報学の研究を地域活性化に活用
(平成26年度〜)
国立情報学研究所
〒101-8430 東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター https://www.nii.ac.jp/
■ビッグデータを活用した婚活「愛結び」
愛媛県松山市の「えひめ結婚支援センター」では、本研究所が開発したデータ解析アルゴリズムをお見合いサービスに取り入れています。
申し込みデータやお気に入り登録といったユーザーの行動履歴を本人の「性格」を表すデータと考えることで、単に条件が合う人をあてる通常のマッチングより質の良いお薦めができるのではというアイディアを基にデータ解析アルゴリズムを導入したもので、このアルゴリズムを導入してからはお見合いを申し込んだ際の承諾率は13%から30%に上昇しました。このような評価などから、この取り組みは総務省の「地域情報化大賞2015」の特別賞に選ばれました。
人と人をつなぐシステムは、婚活だけではなく転職や仲間づくり、ベビーシッターやBtoBビジネスでの活用なども期待できます。
ビッグデータを活用したシステムを紹介する「えひめ結婚支援センター」:
https://www.msc-ehime.jp
総務省「地域情報化大賞2015」の特別賞を受賞:
https://www.nii.ac.jp/news/award/2016/0122.html
サイエンスカフェで市民との
気軽なコミュニケーションを推進
(平成25年度〜)
国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr ac.jp/
♦事例の概要
立川駅近くのホテルやカフェなどを会場として、お茶や食事をしながら講師と参加者の距離を縮め、気軽に質疑応答が出来るプログラムとした双方向のコミュニケーションを推進しています。また、帰国直後の観測隊員や若手研究者を講師にするなど、旬な話題や参加者の声を企画に取り入れています。 令和2年度は新型コロナウィルス感染拡大の影響で実施できませんでしたが、今後に向け、新たな実施方法も検討しています。
地元市民のために生涯学習の公開講座を実施
(平成23年度〜)
国立極地研究所
〒190-8518 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr.ac.jp/
♦事例の概要
立川市とたちかわ市民交流大学市民推進委員会と覚書を交わし、共催事業として協働企画公開講座を実施しています。これは極域科学の最新研究をテーマに年間6コマ程度の講義を行うもので、立川市が発行している講座情報誌「きらり・たちかわ」やチラシなどで、広く受講者を募集しています。 令和2年度は新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、オンライン開催による実施方法などを検討しています。