産学官連携の取り組み事例 ①
学術指導
高収量のゴム農園実現に貢献する
ビッグデータを活用した植林計画最適化システム
(令和3年度)
統計数理研究所
〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp
■株式会社ブリヂストンのゴム農園植林計画最適化システム開発を学術指導
広大な農地に複数の品種を植林するゴム農園では植林や収穫の工数など様々な制約があり、植林計画を最適化することは容易ではありません。株式会社ブリヂストンでは統計数理研究所の学術指導を経て、高収量のゴム農園実現に貢献する「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムを開発しました。これは土壌や病害予防といった複雑な制約を数理モデル化し、収量や面積といったパラゴムノキの農園から得られた膨大なデータに混合整数計画法(※1)を適用することで開発されたものです。このシステムを活用することで、持続的に天然ゴムの高い生産性を確保するために「いつ」「どの品種を」「どの程度の量で」「どこに」植林すればよいかという情報が得られ、30年以上先までの植林計画を最適化することで長期にわたって農園の単位面積あたりの収量向上・平準化を実現し、天然ゴムの持続可能な安定供給に貢献します。
(※1)施設の配置などを検討する際に、整数で答えが示される問題解決のための手法。
ビッグデータを活用した「パラゴムノキ」の植林計画最適化システムのイメージ(株式会社ブリヂストンのニュースリリースより)
詳細はこちらをご覧くださいデータ融合計算技術による諸科学・産業界での課題解決
データ同化研究支援センター
(令和元年度~)
データサイエンス共同利用基盤施設
〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://ds.rois.ac.jp/
■データとシミュレーションを融合させるノウハウを提供
現代では、科学技術の進歩により高性能センサーから莫大な情報が得られるようになっています。また最先端のシミュレーション技術により、さまざまな現象を計算機上で再現できるようになってきています。これらセンサーから得られる情報とシミュレーションを組み合わせることで、動的で複雑なシステムの現象の解明や、製品・サービスをリリースするまでのプロセスを超高速化したりコストを大幅に減少させたりすることなど、これまでよりも高い成果を得られることが期待できます。
諸科学・産業界でシミュレーションの活用に関する課題をお持ちの方々に対し、データ同化研究支援センターの経験豊富な研究者がデータとシミュレーションを融合させる諸技術のノウハウ等を提供し、課題解決を支援します。
大学、研究所、企業等に所属の方で、以下の技術およびその関連手法の開発・応用についてご相談を承ります。
●データ同化:データの情報からシミュレーションの入力変数、パラメータを修正し、精度・性能の向上を図ります。
●エミュレータ:シミュレーションを模倣する計算量の少ないモデルを構築し、設計や不確実性評価の効率化を図ります。
【支援内容】
ご相談の申し込みをいただきますと、本センターのメンバーが面談を実施します(初回無料)。
面談により、ご相談内容に関する詳細をお伺いし、課題解決のためのノウハウ等を提供いたします。
また、解決しない場合は、共同研究・学術指導を行うことも可能です。