情報・システム研究機構の
産学連携への取り組み

企業などの皆様からの声

令和5年度産学連携シンポジウム(ハイブリッド開催) より

産学連携シンポジウム(ハイブリッド開催)

宝石サンゴと森林の資源管理の共通性

開催日:令和6年3月5日(火) ハイブリッド(統計数理研究所2階大会議室 および Zoomウェビナー)

【開会挨拶】

情報・システム研究機構理事 統計数理研究所長 椿 広計

【講演1】

宝石サンゴの資源管理
立正大学 地球環境科学部 環境システム学科 教授 岩崎 望

【講演2】

森林管理最適化モデルのサンゴ管理への応用
統計数理研究所 データ科学研究系 教授 吉本 敦

【パネル討論】

宝石サンゴと森林の資源管理の共通性

講演概要:
一般的な農産物と異なり、宝石サンゴは10~20年、木材生産はそれ以上の長期的な視点から管理する必要があり、資源の育成・保護・利用に共通性が伺えます。本シンポジウムでは、そのような観点から環境問題やSDGsへの理解をより深めることを目的とした講演とパネル討論を行います。

【講演1】日本近海は宝石サンゴの有数の産地であり、良質なものが漁獲されますが、長年にわたる漁獲のために資源が減少しています。さらに、近年の価格高騰により漁獲圧が増しています。今やその絶滅が危惧されており、アカサンゴ・モモイロサンゴ・シロサンゴは、環境省レッドリストで準絶滅危惧に指定されています。
そのようなことから、科学的知見に基づく漁業管理は喫緊の課題となっていますが、特に宝石サンゴは脆弱で成長速度が遅いため、その資源管理には長期的な見通しをもった取り組みが必要です。
本講演では宝石サンゴの特徴を森林と比較しつつ紹介し、資源管理の現状と課題について報告します。
【講演2】持続的な森林管理では、多年に渡り保育と収穫が必要です。そこでは対象とする森林の規模・制御の仕方により、大きく「林分レベル」と「森林レベル」に分類され、管理に関わる意思決定を支援する最適化モデルの開発が進められています。
樹種・林齢がほぼ同じで、比較的面積規模が小さい「林分」では、特に動的計画法により管理施業である間伐・主伐の最適な時期・強度などが探求されますが、それに対して、異なる林分が集まり面積規模も大きい「森林レベル」では、伐採箇所・時期、あるいは森林内の野生動物の保護地などの設置に関わる時空間的な最適施業計画が整数計画法などの手法によりモデルの開発が進められています。
今回“サンゴ”の持続的な管理に対し、これまで開発してきた森林管理に対する最適化モデルの利用が可能か否かを探索します。

本講演会参加者の皆様から多くの感想と質問をお寄せいただきました。皆様からの声として、それらをまとめてキーワードまたは箇条書きの形にして下記にご紹介します。これらの声は今後の企画に活かしたいと思います。

講演の感想

●統計科学の応用の広さを感じた。

●海の環境保全に非常に興味があったので大変面白かった。

●サンゴというものの性質、樹木の成長モデルなど興味深かった。

●自然相手に様々な制約のもと、苦労・工夫を重ねていることを感じた。さらなる研究発展につながることを期待。

●普段聞けないサンゴの研究について興味深く拝聴し、ヒントを得ることができた。

●異なる応用分野相互を統計数理という横串で連携している具体例の紹介は興味深いものであり、応用例の少ない分野への適用におけるヒントとなり得ると感じている。

●異なる領域に技術を応用する、いわゆるイノベーション的な分析手法の使い方が勉強になった。

●地道なデータ収集活動やそれら課題を解決するアイディアの重要性を再認識した。

●森林管理とサンゴ管理は、似ているようで異なることを実感。

●統計数理研究所の役割と実績が理解できた。

●特にサンゴの研究について、学術的な面からの調査は環境保護に向けて非常に大切。

●知らない世界だったのでとても新鮮だった。

興味のあるテーマ

●マテリアル関係

●薬剤関係

●自然環境保護

●波動(波長)

●日本の伝統文化の継承

●生物多様性

●炭素オフセット、炭素クレジットデータ解析

●生成AI

●森林由来カーボン・クレジット

●予知・予測のデータ解析

●海洋開発の現状と課題

●森林、交通、水環境分野でのプロジェクト事例

●海洋プラスティックと環境影響

●時系列解析、異常値検知

●地球温暖化と諸産業への影響

●人口・老齢化問題

●新型コロナ(パンデミック)による諸産業への影響

●スマート農業