情報・システム研究機構の
産学連携への取り組み

産学官連携の取り組み事例 ④
共同研究

極寒の南極観測施設に
炭素繊維強化プラスチック建材を利用する実証実験を開始
(令和3年度)

国立極地研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https//www.nipr.ac.jp/

■株式会社竹中工務店との共同研究

国立極地研究所と株式会社竹中工務店は、年平均気温がマイナス50℃を下回る南極内陸の極寒域に新設する観測施設の屋根架構に、従来の鉄骨に代えて炭素繊維強化プラスチック(以下「CFRP」という)を活用する共同研究を進めてきました。CFRPは、①軽量、②高強度、③伸び・縮み・変形しにくい、④錆びないなどの特徴を持ち、航空、宇宙、自動車産業での利用も進んでいます。令和4年度に観測施設を南極内陸に設置する計画では、CFRPを架構の一部に利用することで、南極内陸までの建材の輸送エネルギーを大幅に削減することや人員の限られた南極での組立の負担の軽減が期待されます。設置された観測施設は令和10年まで現地で経過観察が行われることが予定されています。今後、竹中工務店は、CFRPの建設利用に関した更なる検討を進めるとともに、一般建築に向けた適用も推進していきます。

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CFRPが使われている設置予定の屋根架構

設置予定の屋根架構。黒い部材にCFRPが使われている(令和3年に国内で実施された仮組の時の様子)。 

南極について学べる学習アプリを開発し無償公開
(令和2年度)

国立極地研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr.ac.jp/

■ミサワホーム株式会社との共同研究

極地研とミサワホーム株式会社(以下ミサワホーム)は、産学共同プロジェクトにより、南極をより身近に感じ、楽しみながら学べるiPad専用アプリ「南極eスクール」を制作。令和3年1月に配信を開始しました。 「南極の大自然を、病院や院内学級で過ごす子どもたちや、教育的支援の必要な特別支援学級などの子どもたちにも楽しく学んでほしい」そんな思いを込めて、平成26年にミサワホームが制作し、限定公開となっていたiPadアプリ「南極ウォークビュー」。より多くの方に南極の魅力を届けるために、極地研の監修による科学的知見を追加して大幅リニューアルし、「南極eスクール」として一般向けに無料公開しました。 「南極eスクール」は、iPadの大画面や機能を活用し、南極に関する話題を、地理・歴史・生活・生物・地学・宇宙の6分野に分けて紹介しています。それぞれの分野では、360度パノラマ画像とiPadに内蔵されるモーションセンサーが連動し、手にしたiPadの動きに合わせて画像が動き、まるでその場に居るような感覚で南極の景色を楽しむことができます。また、360度パノラマ画像に配置されたポイントをタップすることで、南極に生息する動物たち、太陽が沈まない白夜、隊員が生活する昭和基地内部の様子などに関するパネルがポップアップ。極地研の研究者が監修した解説とともに、それぞれの分野に関する貴重な映像、画像を見ることができます。 今後も、本アプリを活用して、南極観測・研究を通じて培った知見を広く配信し、子どもたちのほか多くの方々に、極域科学をはじめとした自然科学に関する興味喚起、地球環境への意識向上などに貢献していきます。

「南極eスクール」のインストールはApp Storeから(無料)。
https://apple.co/3acSPyG


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産学共同実証実験「南極移動基地ユニット」が
グッドデザイン賞等を受賞
(令和2年度)

国立極地研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr.ac.jp/

■JAXA、ミサワホーム株式会社、株式会社ミサワホーム総合研究所との共同研究

国立極地研究所は、JAXA、ミサワホーム株式会社、株式会社ミサワホーム総合研究所の4者共同で、「第61次南極地域観測隊公開利用研究」として南極・昭和基地で、極限環境下での持続可能な住宅システムの構築を目的とした実証実験を実施しました。 この「南極移動基地ユニット」が、公益財団法人日本デザイン振興会が運営している「2020年度グッドデザイン賞」と「グッドデザイン・ベスト100」を受賞しました。

【評価コメント】
(グッドデザイン賞ホームページ、「受賞対象一覧」にて公開)
南極では、十分な人数の建築専門家を送り込めないために現地の研究スタッフで建築の施工を行わなくてはならないこと、限られたエネルギー源を生かす必要があることといった課題を解決するために、プレハブ技術を生かした省施工・省エネの基地ユニットが活用されてきた。実はこの条件は月面基地など宇宙環境でも同様であるという気づきから、ミサワホームが国立極地研究所、JAXAと組んだ研究への活用が進められている。極地環境におけるプレハブ・住宅技術の活用と磨き上げが宇宙基地の建築に資するという発想と、着実な研究の積み重ねが評価された。  

タイヤ振動データを用いた道路状態推定システムの運用の図解

南極移動基地ユニット完成後の記念撮影
撮影:JARE61 吉井聖人(2020年5月21日、南極・昭和基地にて

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タイヤ振動データを用いた道路状態推定システムの研究
(令和2年度〜)

統計数理研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp/

■株式会社ブリヂストンとの共同研究

統計数理研究所は株式会社ブリヂストンと共同で、タイヤに取り付けられたセンサーから得られたデータを使用して路面状態を推定するシステムについて研究を進めています。このシステムから得られる路面状態の情報をドライバーや車両制御に伝達することで、安全な走行を支援することを目指しています。このシステムは車載搭載の実用上、(1) タイヤデータから頑健、かつ高速・軽量な演算による特徴量抽出、(2) データの取捨選択、(3) タイヤの経時変化に対応するために、路面状態の分類器の継続的な更新が課題となります。この共同研究では、速度や路面凹凸の変化に頑健な特徴量抽出法、kernel herdingによるデータ選択法、半教師あり学習法について検討しました。路面状態としてドライとウェットの2種類のタイヤデータを用いた実験と、実際に実装することを想定した検討を行い、継続的な学習と更新により性能を維持でき、サスティナブルなシステム(図1)を構築できることを確認しました[1]。
[1] 川真田智, 松井知子, 西田三博, 真砂剛, "タイヤ振動データを用いた道路状態推定システムの運用,” 電子情報通信学会技術研究報告, Volume 120, 195, pp. 14 - 19.

タイヤ振動データを用いた道路状態推定システムの運用の図解

図 1:タイヤに取り付けられたセンサーから得られたデータを使用して道路状態を推定するシステムの概要 

品質管理ビッグデータに対するデータ解析手法を開発
(令和2年度)

統計数理研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp/

■株式会社東芝との共同研究

統計数理研究所は株式会社東芝との間で品質管理ビッグデータの解析手法に関して共同研究を行いました。大量の欠損を含むデータからでも不具合の要因を特定するデータ解析手法HMLasso™や、工場の現場技術者の知見を反映・学習して不良原因解析を可能にするデータ解析手法Transfer Lassoを開発しました。これらはスパース・モデリングという統計的機械学習の技法を利用しています。

HMLasso™
https://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2019-08.html
Transfer Lasso
https://www.ism.ac.jp/ura/press/ISM2020-10.html

南極移動基地ユニット

不良原因解析AIの概要。品質監視データに加えて、現場技術者の知見と過去の品質低下原因を用いて原因を解析し、分析作業を大幅に短縮する。

民間とのパートナーシップ強化による南極観測の技術革新
(令和元年度〜)

国立極地研究所

〒190-0014 東京都立川市緑町10-3 https://www.nipr.ac.jp/

♦事例の概要

株式会社KDDI総研との間で共同研究契約「観測隊の記録と情報発信のための新しい映像伝送技術の開発研究と画期的な広報映像の社会発信」を締結(令和元年5月)し、映像伝送技術の開発と社会発信手法の開発に着手しました。
また、極限環境下での持続可能な住宅システムの構築を目的として、ミサワホーム株式会社等と共同研究契約「持続可能な新たな住宅システムの構築」を締結(令和元年7月)し、南極の極限環境での実証実験を開始しました。
株式会社竹中工務店とは、「新内璃空基地掘削場屋根架構の検討に関する共同研究」を締結(令和元年9月)して新ドームふじ基地での実証実験を計画しています。

■JAXA、極地研、ミサワホーム株式会社及び株式会社ミサワホーム総合研究所の連携 による「南極移動基地ユニット」の実証実験

JAXA、国立極地研究所、ミサワホーム株式会社、株式会社ミサワホーム総合研究所の4者は、極限環境下での持続可能な住宅システムの構築を目的とした実証実験を、南極・昭和基地で令和2年2月より実施しています。

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南極移動基地ユニット

昭和基地に組み立てられた南極移動基地ユニット

地銀コンソーシアム設立によるデータ蓄積と
世界初のリスクモデル構築
(平成29年度)

統計数理研究所

〒190-8562 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp/

■「いつ起こるかもしれない金融危機」に備えるDBと損失率モデル

複数の地方銀行の高度信用リスク統合データベースコンソーシアムを設立し、それによって10年以上かけて蓄積したデータを基に世界で初めてのデータ統合LGDモデルを作成しました。リーマンショックのような金融危機が発生した場合に備えて金融システムの安定化や競争の公平性の維持にとって信用リスクの適正な評価手法基盤として本プロジェクトの成果は重要です。

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デフォルト後の信用リスク

民間企業との共同研究と研究成果の実用化
(平成21年度)

統計数理研究所

〒190-8562 東京都立川市緑町10-3 https://www.ism.ac.jp/

■リーグスポーツをより面白くする勝敗数計算のアルゴリズムを確立

統計数理研究所は一般社団法人共同通信社との間でプロ野球のマジックナンバーの計算に関する共同研究を行いました。数理最適化と呼ばれる分野の研究であり、その成果として、CSクリンチナンバー(CSクリンチ)と名づけられた新しい指標が平成22年のシーズンから配信されています。公式戦がある日は、全試合終了後、各チームに対してそれぞれ2つ合計24個の最適化問題が解かれています。
この共同研究は、統計数理研究所の共同研究スタートアップを基にして始まった取り組みです。


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