情報・システム研究機構の
産学連携への取り組み

企業などの皆様からの声

令和3年度第6回 ROIS 産学連携・知的財産セミナーより

第6回 ROIS 産学連携・知的財産セミナー

データサイエンスにおける産学連携シーズ ~ 森林産業における数理モデルの展開 ~

開催日:令和4年2月18日(金) Zoomウェビナー

第一部【オリエンテーション】

情報・システム研究機構理事・統計数理研究所長 椿 広計

第二部【データサイエンス研究紹介】「森林産業における数理モデルの展開」

統計数理研究所 教授 吉本 敦

第三部【産学連携シーズのパネル討論】

椿所長、吉本教授、ROIS産学連携・知的財産室長

セミナー概要:
かつて木材生産を担っていた林業が森林資源利用の中心的な役割を果たしてきました。しかしながら、今日森林を取り巻く社会ニーズの多様化に伴い、“生態系サービス” と言った様々な機能の提供が求められています。従来の水源涵養機能などに加え、温暖化防止を担う炭素吸収機能、生物多様性維持、野生動植物保護、また災害を軽減する防災機能など森林の果たす役割も多様になっています。これらの機能を十分に発揮させるには、森林資源の管理を“適切に” 行っていく必要があります。そこではデータに支えられた森林の成長モデル、モデルの利用による将来予測、また、予測を軸にした最適化手法による管理に対する意思決定支援、最適化モデルを用いた政策分析・評価などが必要不可欠です。今回の講演では、こうした一連のデータサイエンスにおける数理モデルがどのように展開されるのか紹介して行きます。

本セミナー参加者の声として、ご興味のあるテーマ等についてセミナー後のアンケートによりお伺いしました。ここではそれらをまとめてキーワードまたは箇条書きの形にして下記にご紹介します。これらの声は今後のセミナー企画に活かしたいと思います。

本セミナー参加者がご興味を持っているテーマ

●農林関係と統計学の歴史は興味深い

●林業関係者が数学や統計に親しめるようにベストプラクティスや教育コンテンツをプッシュ型で展開していく必要がある

●自律性のあるシステムへの介入と利用に最適化が使える点と、そのマネジメントにはこれまでと異なった要素の付加が必要だが、基本はこれまでのマネジメントサイクルと変わらない

●情報統計学は、工業界だけに薄く留まらず環境などにも広く深く有効に活用できると思われる

●数理モデルと従来の林業家の言い伝えの植林と伐採モデルの比較、数理モデルのスパンと従来の言い伝えによるスパン間の利益の違い

●日頃利用している実験計画法の源流の一つが農業分野にあることに興味を持った

●森林政策を検討する上で予測モデルによるシミュレーションは大変有効であると思った

●森林がもつ機能と価値に新しいアプローチが望まれている時代だ