情報・システム研究機構 2023-2024産学連携への取り組み
15/24

15♦事例の概要「乳脂肪分機能を有する南極産坦子菌酵母及びその利用方法」に関する特許実施許諾契約を締結した民間企業からの実施料収入を引き続き得るなど、収入実績をあげました。♦事例の概要LEA(※1)、VITCOMIC2(※2)等のマイクロバイオーム分野関連技術をはじめ、日本産新規藻類(※3)や魚体内での他家組織の継代維持方法(※4)等、他シーズについて従来契約実績が多かった製薬企業にとどまらない多分野にわたる企業との契約締結・交渉が大きく進展しました。■分光蛍光マイクロスコープ「EEM® View」(※)分光画像とスペクトルデータの同時取得を実現する新技術を、本研究所と株式会社日立ハイテクサイエンスが共同で開発しました。蛍光成分と反射成分の画像の分離表示を可能とする計算アルゴリズムを同社の分光蛍光光度計に組み込むことで、物体のスペクトルデータとCMOSカメラによる蛍光・反射画像を同時取得し、さらに取得した試料画像を25分割した際の、区画ごとの拡大表示や蛍光・反射スペクトルデータも取得することができます。従来の分光蛍光光度計では、試料全体の平均的なスペクトルデータの取得に留まっていましたが、本技術により反射・蛍光スペクトルを可視化し、画像による蛍光発生部位の把握や特定箇所のスペクトルデータの取得が可能となり、より高精度な蛍光物質の測定を実現しました。本装置の蛍光分析への活用により、(※1) LEA:微生物群集構造データに機械学習技術を適用し、環境中の微生物群集の関連性を俯瞰的に評価するシステム (※2) VITCOMIC2:高速かつ高精度に細菌群集の系統組成を推定するツール)等のマイクロバイオーム分野関連技術(※3) 日本産新規藻類:高温酸性で増殖可、高濃度の抗酸化ビタミン、ビタミンKを含有する藻類(※4) 魚体内での他家組織の継代維持方法:同種別個体の精原細胞を移植して精子を作製する生殖組織の製造方法微細測定ニーズが高まるLEDやディスプレイなどの電子材料や工業材料分野をはじめ、食品検査分野やライフサイエンス、バイオテクノロジー分野など、幅広い分野での研究開発や品質管理に活用が期待されています。(※) EEMは株式会社日立ハイテクサイエンスの日本における登録商標です。南極産担子菌酵母 ムラキア・ブロロピスSK-4https://www.nipr.ac.jp/https://www.nig ac.jp/https://www.nii ac.jp/詳細はこちらをご覧ください詳細はこちらをご覧ください平成29年度〜平成30年度令和元年度国立極地研究所国立遺伝学研究所国立情報学研究所観測隊が採取した南極産酵母が産業利用へ 新規分野(マイクロバイオーム、新規藻類等)における契約件数、収入増 物体の反射光と蛍光を分離して可視化観察を実現

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る