11昭和基地の屋外でスマートフォンを操作しローカル5G通信を利用する観測隊員※NECネッツエスアイ株式会社のプレスリリース:https://www.nesic.co.jp/news/2022/20220225.html ■ミサワホーム株式会社との共同研究極地研とミサワホーム株式会社(以下ミサワホーム)は、産学共同プロジェクトにより、南極をより身近に感じ、楽しみながら学べるiPad専用アプリ「南極eスクール」を制作。令和3年1月に配信を開始しました。 「南極の大自然を、病院や院内学級で過ごす子どもたちや、教育的支援の必要な特別支援学級などの子どもたちにも楽しく学んでほしい」そんな思いを込めて、平成26年にミサワホームが制作し、限定公開となっていたiPadアプリ「南極ウォークビュー」。より多くの方に南極の魅力を届けるために、極地研の監修による科学的知見を追加して大幅リニューアルし、「南極eスクール」として一般向けに無料公開しました。 「南極eスクール」は、iPadの大画面や機能を活用し、南極に関する話題を、地理・歴史・生活・生物・地学・宇宙の6分野に分けて紹介しています。それぞれの分野では、360度パノラマ画像とiPad■株式会社竹中工務店との共同研究国立極地研究所と株式会社竹中工務店は、年平均気温がマイナス50℃を下回る南極内陸の極寒域に新設する観測施設の屋根架構に、従来の鉄骨に代えて炭素繊維強化プラスチック(以下「CFRP」という)を活用する共同研究を進めてきました。CFRPは、①軽量、②高強度、③伸び・縮み・変形しにくい、④錆びないなどの特徴を持ち、航空、宇宙、自動車産業での利用も進んでいます。令和4年度に観測施設を南極内陸に設置する計画では、CFRPを架構の一部に利用することで、南極内陸までの建材の輸送エネルギーを大幅に削減することや人員の限られた南極での組立の負担の軽減が期待されます。設置された観測施設は令和10年まで現地で経過観察が行われることが予定されています。今後、竹中工務店は、CFRPの建設利用に関した更なる検討を進めるとともに、一般建築に向けた適用も推進していきます。■NECネッツエスアイ株式会社との共同研究国立極地研究所とNECネッツエスアイ株式会社は、南極・昭和基地のスマート化を目指して、南極域では世界初となるローカル5Gを活用した移動無線通信システムの実証実験を開始しました。昭和基地では、2004年にインテルサット衛星通信設備が設置されて以降、観測データの常時送信やインターネット利用が可能となり、現在では基地主要部の屋内でWi-Fiも使えるようになっていますが、屋外はトランシーバーがほぼ唯一の通信手段です。今回の実証実験期間中は、半径2.5kmの範囲でのローカル5G通信が可能となります。これにより、映像中継や基地設備の遠隔監視を実施し、隊員の安全性向上の実現を目指します。本実証実験の成果は、観測機器の制御や新たな観測方法など様々な面で、世界に先駆けた南極観測の高度化につながることが期待されます。 に内蔵されるモーションセンサーが連動し、手にしたiPadの動きに合わせて画像が動き、まるでその場に居るような感覚で南極の景色を楽しむことができます。また、360度パノラマ画像に配置されたポイントをタップすることで、南極に生息する動物たち、太陽が沈まない白夜、隊員が生活する昭和基地内部の様子などに関するパネルがポップアップ。極地研の研究者が監修した解説とともに、それぞれの分野に関する貴重な映像、画像を見ることができます。 今後も、本アプリを活用して、南極観測・研究を通じて培った知見を広く配信し、子どもたちのほか多くの方々に、極域科学をはじめとした自然科学に関する興味喚起、地球環境への意識向上などに貢献していきます。「南極eスクール」のインストールはApp Storeから(無料)。https://apple.co/3acSPyG CFRPが使われている設置予定の屋根架構。黒い部材にCFRPが使われている(令和3年に国内で実施された仮組の時の様子)。 https://www.nipr.ac.jp/https://www.nipr.ac.jp/https://www.nipr.ac.jp/令和2年度令和3年度令和3年度詳細はこちらをご覧ください詳細はこちらをご覧ください詳細はこちらをご覧ください国立極地研究所国立極地研究所国立極地研究所南極について学べる学習アプリを開発し無償公開 極寒の南極観測施設に炭素繊維強化プラスチック建材を利用する実証実験を開始南極域でのローカル5G実証実験を世界に先駆けて開始
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